夏映画2024感想【爆上戦隊ブンブンジャー】【仮面ライダーガッチャード】

映画・TVドラマ感想





冒頭文

 おはようございます。ヒーローの夏映画が妻との定例デートになって10年になる典藻のりもキロクです。

 今年も夏映画に間に合うように溜まっていた未視聴分を急いで観て、戦隊とライダーの映画を観てきました。
 TV本編ももちろん楽しんでいますが、毎年の映画というのはやはり違った楽しみがあります。映画館特有の雰囲気というのもありますしね。


 感想を書く都合でネタバレがありますので、ご了承ください。
 

プロミス ザ・サーキット

 今年のスーパー戦隊「爆上戦隊ブンブンジャー」の劇場版。いえ、劇場ブーン。

 「ブンブン」つながりでHIKAKIN氏が出演することが宣伝のひとつになっていました。
 やや誇張されすじな感はありましたが、HIKAKIN氏の登場シーンは氏の動画のように効果音が多用されていて「らしさ」の演出がなされていました。
 大人から見ても好感度も高いし、導入としてうまく扱われていて、子供向けの映画として非常に適したゲストだったと思います。

 中古車……ではなくユーズド苦魔獣くるまじゅうとして、当戦隊初の再生怪人を登場させて冒頭からブンブンジャーの戦闘シーンが見られるのも子どもを退屈させない構成だったと思います。
 この再生怪人設定はTV本編でも使えそうですね。

 例年のことではありますが、映画の制作時期の都合かキャラクター性が若干本編と違う部分が見られるのも夏映画の魅力です。
 具体的に言葉で表せない程度の微妙な違和感があり、新鮮な気持ちで視聴できます。

 CV松本梨香氏のキャラクターの横で女性キャラに耳を引っ張られる男性キャラという、初期のアニメ「ポケットモンスター」で観たような場面も楽しいです。
 本編1話から敵対しているサンシーターの3人の振る舞いとメンバー構成の時点でロケット団を想起させるものがありましたから、ある程度意識しているのかもしれません。

 映画ヒロインとして登場したニコーラ姫を見ていると、日本人って案外ピンク髪が似合うのだなと思ってみたり、映画ボスのデイモンサンダーのF1カーを纏ったようなデザインをみて「もしかしてドライブタイプフォーミュラって怪人向けのデザインだったんじゃないか」と思ってみたり、ビジュアル面での発見もありました。

 惑星大破壊大ミサイルというわかりやすいネーミングの地球の危機や、追加戦士であるブンバイオレットの活躍シーンもあり、子供向け映画としてやはり良い出来だったと思います。
 惜しむらくは昨年に引き続き巨大ロボでの戦闘シーンが無かったことでしょうか。 

ザ・フューチャー・デイブレイク

 同じく今年の仮面ライダーである「仮面ライダーガッチャード」の劇場版。
 明るくわかりやすく子供向けだったブンブンジャーの映画に相対して、仲間をほぼ皆殺しにされた中で人類滅亡の危機に瀕した世界で戦う主人公のIF未来が描かれたシリアスな作品でした。
 20年後の主人公を演じるDAIGO氏の熱演も相まってよい映画でした。世界観の重さに対して終わり方がさわやかでした。
 「ドラゴンボール」の未来トランクスのようなものと言えばよいでしょうか。いえ「ドラゴンボール超」のトランクスは一旦置いておいてください。

 
 荒廃した未来が舞台ということもあり、TV本編では終盤に至って未だ敵対している冥黒の三姉妹(のうちの2人)と共闘するという頼もしさは劇場版ならではです。
 外見上は変わらないものの20年未来であることを考慮してか宝太郎(現代)がクロトー(未来)に対して敬語を使っているのも本編では見られない面白さだと思います。

 「デビルマン」のあいつみたいなことをした冥黒のデスマスクに対しての宝太郎の激怒というのもやはり中々見られないものです。
 片目を失うシーンの苦痛に悶える演技もあわせて、色々な宝太郎が見れてお得な映画でした。

 かつての想いを取り戻した宝太郎(未来)が宝太郎(現代)の手をとるシーンや、「がんばれ仮面ライダー!」の声援が逆転の嚆矢になったり、よいロケーションをバイクで走るシーンがあったり、巨大な敵を倒すにあたって錬金術で疑似的に巨大化してライダーキックをしてみたり、ヒーローものとしての熱い見どころもあります。
 

 未来の宝太郎を演じるDAIGO氏もそうですが、ゲストが豪華な映画でした。
 未来の科学者を演じた小島よしお氏は本人持ち前のクレバーさやインテリさを見せながら振り切った「芸」で盛り上げてくれました。正直な話、「クレヨンしんちゃん」の映画で2回ゲスト出演したときより輝いていました。脚本力の違いでしょうか。
 TV本編での活躍が印象的だったズキュンパイアも再登場しました。嬉しいサプライズです。

 そして何より、仮面ライダーディケイド/門矢士のサプライズ登場です。ありていに言えば、ヤバいです。
 カグヤ様のピンチに駆けつけるのならディケイドしかいないだろうとは思いつつ、まさか本人キャストでの登場になるとは思ってもみませんでした。
 ディケイドのかっこよさだったり、カグヤ様の心情だったりを思って、そんなシーンじゃないはずなのにぐずぐずと泣いてしまいました。よい歳をしたオジサンがですよ。
 ちなみにパンフレットにネタバレが書いてありました。視聴前に読まなくてよかったです。


 夏映画恒例の次回作ライダーの先攻登場もありました。
 いつも以上の玩具の多さにバンダイの拝金主義が透けて見えて既に辟易している仮面ライダーガヴですが、変身の演出やら何やらからダークなものを感じます。玩具はともかくストーリーや設定は期待できそうです。

 
 エンディングやパンフレットに載せられている塗り絵コンテストの受賞作品として「金色に塗られたガッチャードとブンレッド」がいるのですが、ガッチャードの敵対するグリオンの「金色に染まれ」と妙な親和性が生まれていて笑ってしまいました。エンディングで笑えて、これもまた爽やかな視聴後感に寄与しているものと思います。



 苦言を呈する部分があるとすれば2つですね。
 TV本編で重要そうなものとして扱われてきた「暁の錬金術師」の絵本に対しての伏線回収のようなものが為されたり、前回の冬映画と同じく、「本編でやれ」と思ってしまう内容でした。あくまで個人的な考えではありますが、映画は本編中の寄り道や最終後のおまけを描くエクストラストーリーや、本編に影響しないIFストーリーであるべきと思っています。レギュラーキャラクターが仮面ライダーになる過程と初変身を映画で描いたり、40話近く伏線のように扱ってきた要素の回収を映画で行ったりというのは、少し違うのでないかと。
 もうひとつ、液化ギャーソリンとでも言うべき謎の液体から錬成されたケミーカードと変身ベルト エルドラドライバーの存在です。毎年ネタバレを気遣わずに映画公開後すぐに「劇場版に登場する仮面ライダー○○の変身アイテム!」のようにメルマガを送ってくるプレミアムバンダイから何の音沙汰もない。この記事を書いている時点で映画公開後2週間ほど経過しています。このタイミングで玩具の発表がないということは、今作で登場した仮面ライダードラドとは違う変身に使われる形でTV本編に登場するんだろうなと予想できてしまいます。そして、また受注期間の短い、買い逃したらプレミア価格で転売される高額商品が増えるのだなと思うと気持ちが萎えます。
 番組を作る側も玩具を作る側も集金が大事なのはわかりますが、年々露骨になってきて、純粋に作品を楽しむ気持ちが萎えてきています。販促すべき玩具の少ない平成ライダー初期の作品やアマゾンズくらいの作風に戻ってほしい。

おわりに

 思うところもありましたが、今年も楽しい夏映画でした。入場特典ももらえてハッピー。
 映画を観ている間が楽しいのはもちろんですが、見終わった後に妻とああだこうだと感想を言い合うのがとても楽しい。

 今年は「クレヨンしんちゃん」の映画も劇場に観に行こうかと思っています。
 これも妻と感想を言い合うのが楽しみです。映画そのものへの期待は程々に、時間を作って劇場に足を運ぼうと思います。

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