【感想】仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦

映画・TVドラマ感想





 おはようございます。12月の下書きを順次仕上げている為、ネタの鮮度が落ちまくりの典藻のりもキロクです。
 まあタイミングを逃すのは元決闘者デュエリストの嗜みということで。

 去る2023年12月下旬。毎年恒例、年末の忙しいなかに予定を繰り仮面ライダーの映画を観に行ってきました。
 感想というほどのことではありませんが、思うところを記事にしようかと。

ウツボッチャマ

 3DCGで描写される選ばれしケミー。この映画での主な活躍は食料泥棒。
 TV本編の他ケミーたちと比べて、一目で「違う」と分かる質感。
 特別に活躍するということもなく、「ケミーとはどういうものか」を見せるシーンの為だけに登場したキャラクター。入場特典のパックにキラカードで収録されている好待遇。
 映画公開時点でガッチャンコ相手のケミー(エンシェントの4)が未登場の為、活躍がありませんでしたが、もしかしたら今後TVで新フォームへの変身に用いられるかもしれません。そんなことはないかもしれません。

A6ランクの肉

 道長の理想の世界においての発言。
 「幻のA6ランク」という絶妙に頭の悪い代物ではありますが、「うまい肉を食う」の理想形が「出世して親方になり、みんなにうまい肉を振る舞う」というのはとても彼らしいと思います。
 ドラマのような刑事や現実離れした王子様との追いかけっこに比べて地に足のついた夢です。コメディ描写のはずですが、道長というキャラクターへの好感度が上がる良いシーンでした。本当に素晴らしいワンシーン。これを見られただけで劇場に足を運んだ価値があります。

コンちゃん

 【これは犬が死ぬ映画です】
 英寿の飼い犬であり、死後も現世に留まって飼い主の台詞よろしく「化けて出てきた」キツネ。犬がキツネに変じていますがまあ些事でしょう。広く見れば哺乳類。もっと広く見れば有機物。犬もキツネも、なんの違いもありますまい。

 生前のコンちゃんを演じる美犬がとても可愛かった。智慧が発露しているような顔つきに美しい毛並みの超絶美形でした。
 そして名前はコンスタンティン。せっかく立派な名前をつけても「コンちゃん」と愛称で呼ぶというのは多分よくあること。
 このコンちゃんの存在により、英寿がバイク「ブーストライカー」を「コンちゃん」と呼んでいたことにただの愛称以上の意味が生まれました。また、「ぎーつあにめあなざーぐらんぷり」において、夜ひとりでトイレに行けない英寿が「コンちゃん」をトイレの前で待たせていたシーンにも、在りし日の英寿とコンちゃんの生活が垣間見えてしんみりとしたシーンになります。

 それはそれとして、お涙頂戴シーンで挟まれる「ごんぎつね」オマージュのセリフは笑ってよいのか泣いてよいのか。

クロスウィザードと愉快な仲間たち

 ジョブカテゴリのレベルナンバー10であるクロスウィザード。宝太郎からの愛称は「クロっち」。
 ホッパー1を差し置いて宝太郎からニックネームで呼ばれるケミーであり、昨夏の映画に引き続き登場するクロスの名を冠する劇場版ボス(中ボス未満だけど)であり、現状唯一の人間サイズかつスーツのあるケミーであり、人間の言葉で会話ができるという色々な特別感のあるキャラクターです。
 TV本編・劇場版あわせて見ても貴重な人語を解するのみならず、人間の用いる日本語で話すことのできるケミー。もしかしたら人間と友達になる為に人間の言葉を身につけたアニメ版ポケモンのニャースのようなキャラクターかもしれません。しかしケミーと人間では生命の尺度も違うでしょうから、長命の者特有の離別の苦しみもあったかもしれません。
 あるいは魔法により「ほんやくこんにゃく」のような効果を得ているのかもしれません。

 下記の釘宮が割と演者ネタが反映されたキャラクターだったことを考えると、CV高橋李依氏で大魔法使いというのはキュアミラクル的な何かでしょうか。
 同じく演者ネタか宝太郎から見れば「ガッチャ」の大先輩であるKENN氏も出演していましたね。ガッチャ! 楽しい映画だったぜ!

伊坂

 伊坂じゃなかった。釘宮だ。
 今回の映画のボスキャラであり、「ガッチャード」本編にて協会の錬金術師として登場したものの、実は「ギーツ」の作品世界の人物というややこしいキャラクター。
 2000年前から生きているっぽいのは演者ネタのアンデッド設定かもしれないし、エースを打倒する為に錬金術を修めて不老不死となっているのかもしれません。英寿たちに倒されても死亡・消滅が無かったことから本当に不老不死かも。

 おそらくピーコックアンデッドをモチーフとしているものと思いますが、孔雀の羽のようなデザインの剣が非常にかっこよかったです。あれのデザインのメタルチャームとか欲しい。
 
 クロスウィザードを取り込んでマルガムになったり、コンちゃんを取り込んでアナザーギーツ ギーツキラーになったりと中々にしぶとい悪役。この冗長なまでのしぶとさも「仮面ライダー剣」における伊坂を彷彿とさせます。
 最後には巨大化までしましたが、残念ながら前作のボスとネタ被りです。「ギーツ」を冠する敵キャラクターは巨大化ノルマがあるのでしょうか。

本編扱いということについて

 今作は劇場版でありながら、TV本編と完全な地続きのストーリーと位置付けられているようです。
 TVの15話と16話の間に劇場版が挟まる形ですね。

 ですので、経済面や時間面の都合で映画を観に行けなかった視聴者からすると、知らない間に釘宮が退場し、レベルナンバー10のケミーが6体仲間になっており、りんねが仮面ライダーになっているという状態になっています。
 まあ、「セイバー」の年にも劇場版キャラが本編に関わってくるということもありましたし、そう珍しいことではないでしょう。
 TV本編を見ているだけでは物語が完結しないというのは、TV番組としてはどうなのかとは思いますが。

 TV版での尺が限られている都合で長々とレベルナンバー10の収集に割ける話数が無いだろうことから、映画で一気に6体を「まそっぷ」するのはまあわからないことは無いです。
 しかしそこに「本編で登場した敵の退場」「2号ライダー(?)の初変身」まで詰め込むのは少々まとめすぎではないでしょうか。 

 幼少期の典藻にとって、親に映画に連れて行ってもらうというのは長期休暇中の一大イベントでした。子どもの経済力では交通費+映画のチケットというのは超高額です。
 大人になった今は、妻と休日をすり合わせて、日程調整を重ねてようやく見に行けるもので、経済面はクリアできても時間面のハードルが存在します。
 映画を観に行くというのは、そんなに気楽なものではないと思うのですが、これを観なければTV本編の物語の把握が中途半端になるというのは、嫌な感じですね。

入場特典

 劇場の入場特典として、特別なイラストのカードが貰えるのはとてもよいですね。

 欲を言えば、劇場版の特別フォームに変身する為の「エックスアッセンブル」も特典として付けてほしかったです。
 劇場版の公開前に発売された玩具の先着購入特典として配布されるのは何かがおかしいと思います。
 まあ、バンダイが消費者の立場に立っているようには思えませんし、真なる客層であるだろう子どもに厳しい売り方は今に始まったことではありませんね。

おわりに

 映画としての出来はそこそこ。「本編」扱いという部分で少しマイナス。

 劇場に足を運ぶ前にYoutubeのバンダイチャンネルにて「アルケミスドライバー」の紹介がされたことで、ネタバレを食らった気分。
 サムネイルを見ただけではありますが映画でのサプライズ要素が消滅したことで大幅にマイナス評価です。
 主に作品外の要素で「あまりよくない映画」と評価したくなっています。

 そもそもが玩具の販促のための番組である以上仕方ないのかもしれませんが、「アルケミスドライバー」を売る為に映画に初変身をねじ込まれたりんね/仮面ライダーマジェードはだいぶ割を食っているように思います。

 受注期間の定められているドレッドライバーやアルケミスドライバー、各種CSM。先着特典入手の為に、やはり実質的な締め切りのようなものが存在するエクスガッチャリバー。11月~1月にかけてのライダー玩具の発売ラッシュはかなりきつい。どれも安価なものではありませんから、玩具を集めている身には苦しい展開です。
 一生懸命に商品の魅力をアピールするのはよいのですが、そんな魅力的なものの購入を経済面の苦しさから取捨選択しなければならない悔しさがあります。売り手側にはこの辺りの気持ちを分かってほしいところです。

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