おはようございます。「デジモンアドベンチャー02」直撃世代のおじさん、典藻キロクです。
親の庇護下にあり、弟と仲良く過ごし、友人らしき人もいて、生きづらさなんて感じなかったあの頃。
そんな頃から今に至るまで、デジモンは典藻の世界のどこかにいてくれています。
まあ、パートナーデジモンに出会えなかった以上、所詮選ばれなかった側の人間なんですけどね。
そんなデジモンの最新作を観る為に劇場に足を運びましたよ。
前作の劇場版「LAST EVOLUTION 絆」はちょうどコロナの時期だった為、劇場に行くのを見送りましたが、今回は満を持して大画面で観賞してきました。大変満足でした。
よかったところ
よかったところを箇条書きで。まあ、「全部」でもよいのですけど。あえて細かく挙げるならばということで。
・なによりもまず、劇場スクリーンの大画面と良い音響でジョグレス進化が見られてよかった。これだけで胸がいっぱい。パイルドラモンの進化シーンを2回も見られて大満足。製作側が需要をしっかりわかっている。
・やっぱり移動の足にされるインペルアルドラモン。こうでなくっちゃ。
・「02」の雰囲気そのままに大人になった大輔たちが活躍。「tri.」もこんな感じだったらよかったのに。
・6人同時進化のシーンのテンポがよくて見やすい。「tri.」もこんな感じだったらよかったのに。
・よい意味で変わらないパートナーデジモンたち。知能が低下しマスコット化するようなことがなかった。「tri.」もこんな感じだったらよかったのに。
・個人的に好きな「ホークモン! 進! 化ァアアアアアア!」が健在でとても嬉しい。最高。当時これを真似ていたのを思い出します。欲を言えば、「鋼の叡智! ディグモーン!」も聞きたかった。
・セリフはないものの、ウォレスが「チョコモン」に再会できたのがわかったのも嬉しかったです。
・名演で際立つ虐待シーン。親も子も愛情故に苦しむ姿に心を抉られます。1996年じゃあ介護用品もいまとは比べるべくもないでしょうし、家庭での介護は想像を絶する辛さでしょう。
・終盤、ルイの母の手がアップになるシーンで、結婚指輪がゆるくなっている様子が見られて、過労で細っていることがわかる細かな演出が素晴らしい。
・急に挿し込まれる「ゴーストゲーム」的描写。
・ブイモンたちに新しい進化が無かったのが良かった。新形態を出そうとすると、新しい進化を獲得するまでの流れを描いたり、既存形態にプラスで活躍させる尺が必要になるので、ストーリーのまとまりが無くなりかねない。きっとヴァルキリモンやヴァイクモンですら蛇足になってしまうでしょうから、そのあたりがコンパクトにまとまっていてよかったです。
・無理にブラックウォーグレイモンや及川を蘇らせたり、短い尺の中でデーモンやダゴモンの伏線を回収するような無茶をしなくてよかった。本当によかった。中途半端になるくらいなら何もしない方がよいに決まっている。英断。
・「大いなるもの」などの謎を残して次回作が作られるかもという期待を持たせてくれた。SAN値が削られそうなあの触手を見るにダゴモンの関係者かも。
・あと、売店にニジカガチを呼べそうな腕輪が売ってた。予算が厳しく買わなかったけど。
気になったところ
悪かったところ、ではなく気になったところです。悪いところなどあろうはずもなし。「tri.」じゃないんだから。
・上映劇場が少ない! とにかく少ない!
・週替わりの入場特典をもらわないと揃わないオーディオドラマ。しょうがないとはいえ、時間とお金のない社会人には辛い。典藻は諦めました。
・虐待シーンが辛すぎる。人によっては体調が悪くなるのでは?
・非常に非常に非常に個人的な好みの話ですが、新録のBeat hit!の「未来の為に」の部分が昔の「未来のつぁ!めぇえにぃ!」でなくなっていて少し寂しかったです。
入場特典
オーディオドラマが聴けるシリアルコード付きのカードと、デジモンカードゲームのチュートリアルデッキです。
オーディオドラマについては、上記の通り週替わり特典でして、最低3回劇場に足を運ばないとすべてを聴くことができないという鬼の仕様です。
当時「02」を見ていた子供たちも今は働き盛りでしょうし、3週連続で時間を作るのはかなり難しいのでは。
カードについてはデッキが付くという大盤振る舞いです。とてもよいですね。
映画の入場特典でカードをもらうと、ブラックウォーグレイモンやメガログラウモンのカードをもらってワクワクしていたあの頃を思い出します。
スターターやブースターからの再録カードたち。ありがたい。
今回の映画の版権イラストを使用したカードや、ACEになったインペルアルドラモン。こちらは特別感があって大変グッドです。
オーディオドラマの集金システムを考えると、カードゲームの方も全〇種からランダムで1枚プレゼント! ぐらいのことをやってのけそうですが、ラインナップが固定でよかったです。
映画をみて、このチュートリアルデッキからデジモンカードゲームに流入してくるファンが増えるとよいですね。
おわりに
満足感を得られる映画でした。えっちらおっちら遠方の劇場に足を運んだ甲斐があるというもの。
妻と初めて一緒に「デジモン映画」を「映画館で」観ることができたというのも、人生の思い出になりそうです。いえ本当に。
正直なところを言えば、きれいにまとまっていた作品をわざわざ再開した「tri.」以降の「デジモンアドベンチャー」の世界の作品には思うところがないではないのです。
せっかく美しい思い出だったものを冗長に6部作などで映画化した挙句、いまいち作品愛を感じられない仕上がりの「tri.」。
それの尻ぬぐいのような形になった「絆」。
これらを経ての今作。この続きが見たいような、このまままたそっとしておいてほしいような。所謂「心がふたつある」状態になっています。
この続きより、劇場版のなかった「クロスウォーズ」「アプモン」「ゴーストゲーム」(「コロン」は除外)の劇場版を作ってほしい。
特に「ゴーストゲーム」は本編中で回収できなかった伏線がありますし、アルクトゥルスモンに出番を作るという意味でも、もう1本作品を作ってほしいところです。
期待。
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