ヴィーナスシンドロームの曲名の由来を調べる。

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冒頭文

 おはようございます。仕事がしんどろーむ、典藻のりもキロクです。


 皆様、「ヴィーナスシンドローム」という楽曲をご存じでしょうか。
 こちらは、ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」の登場アイドルである新田美波が歌唱する曲になります。2013年にリリースされたソロ曲です。
 そうです。世界一美しかっこいい窓ふきみたいな振付のあの曲です。


 もうひとつ。
 「ディーナス症候群シンドローム」という楽曲はご存じでしょうか。
 こちらは、1999年~2000年にかけて放送された特撮ドラマ「救急戦隊ゴーゴーファイブ」に登場する悪役のひとり……いわゆる女幹部である邪霊姫ディーナスが歌っている曲です。キャラソンです。
 第45話で用いられ、異性への魅了効果のある歌唱として描写されていました。


 「ヴィーナスシンドローム」と「ディーナス症候群シンドローム」。
 非常に曲名が似ています。何か関連があるのかもしれません。しかし、歌詞の内容や歌っているキャラクターの性格等から、前者が後者をもじったものとも思いづらいです。
 となれば、類似する言葉が元ネタになっているではないかと考えました。

 今回は、曲名の元ネタらしきものを調べてみました、という記事です。
 それらしい答えは見つかったのですが、確証というほどではないので、個人ブログらしく「調べたけど何もわかりませんでした♪ いかがでしたか?」というオチに等しいです。しかし、それっぽいこじつけは出来ましたので、よろしければ最後までお読み下さると嬉しいです。

ヴィーナスについて

 まず、ヴィーナスとは何かについてです。いえ、「ヴィーナスとはかくあるべき」というような美学や「何を以てヴィーナスと呼ぶか」というような哲学的な話ではないです。

 ヴィーナス(Venus)は金星のことであり、また美の女神の名前、それが転じて美女を指す言葉でもあります。

 この名前を冠した有名どころでいえば、ボッティチェリの描いた「ヴィーナスの誕生」や彫刻の「ミロのヴィーナス」、土偶の「縄文のビーナス」でしょうか。あとはセーラーヴィーナスとかThe splendid VENUSとかウェヌスモンとかでしょうか。

 美の象徴という意味合いなどからか、デレマスの新田美波もカード名などで女神に喩えらえることが多いように思います。

シンドロームについて

 シンドローム(syndrome)は症候群の意です。医学的な知識のない典藻の読解によるものではありますが、いくつかの症状がまとめて起こることを指しているようです。
 「症候群」という病気があるわけではなく、「○○症候群」という名称で病気を表します。

ヴィーナスシンドロームに類似の言葉

実在の病名を元にしたものではない

 上記のことを踏まえると、ヴィーナスシンドローム=美の女神症候群といった訳になるかと思います。

 そのような病名があるのかといえば、web検索で調べた範囲では見つかりませんでした。「春の女神症候群」という似た名前は見つけましたが、その症状と今回取り上げている2曲の歌詞とに関連は無さそうです。

 同様に、web検索の範囲ではヴィーナス症候群もなさそうです。
 ヴィーナス=Venus=ウェヌスから、ウェヌス症候群でも検索しましたところ、語感が近いウエスト症候群やウェルナー症候群といったものに行きつきました。また、ディーナスと語感が近いもので検索したところではデュアン症候群というものを見つけました。しかし、これらを元にヴィーナスシンドロームやディーナス症候群という曲名に至るとは思えません。

 ヴィーナスと関連がないこともなく、語感も近いウラヌスでも同様の検索をしましたが、こちらも成果なしです。 

 よくよく考えれば、(意図的にそうする場合を除いて)ネガティブなイメージとなる病名という要素を元に曲名をつけるというのは考えづらいです。
 であれば、実在の病名をもじっているという線は無いでしょう。

金星との関連

 ヴィーナス=美の女神ではなく、金星を指しているという線はどうでしょうか。
 こちらの関連で調べたところ、見つかりましたよ。ヴィーナスシンドローム。

 Venus syndromeは英語圏の造語として、「地球温暖化が進むと金星みたいな熱さになるぞ!」というような警告の意味が込められた言葉だそうです。少なくとも2010年頃には用いられていたようです。

 また、ヴィーナスシンドロームを和訳した「金星症候群」でも検索してみました。こちらも見つかりました。
 漫画「黄昏流星群」のセレクション(コンビニとかで売っているあれです)のひとつに「金星症候群」というタイトルがついたものがありました。こちらは2013年に販売されたもののようです。

名称が用いられた時系列

 そのものずばりな言葉が見つかったわけですが、曲名の元ネタの可能性があるかの判断として、時系列を整理していみます。

1999年~2000年:邪霊姫ディーナスのキャラソン「ディーナス症候群」が歌われる。
2010年?:地球温暖化への警告としてVenus syndromeが用いられる。
2013年5月:新田美波の歌う「ヴィーナスシンドローム」のCDが発売する。
2013年7月:「黄昏流星群セレクション 金星症候群」が販売される。
 
 このように整理すると、地球温暖化に関する方のヴィーナスシンドロームが、新田美波のヴィーナスシンドロームの元ネタになっている可能性はあります。
 また、初めて用いられた時期が不明だったため、2010年としていますが、この語を用いているらしいジェイムズ・ハンセン氏は1980年代頃から地球温暖化について証言をしているようなので、もしかしたらこの頃からヴィーナスシンドロームは存在していたかもしれません。

 そうであるのなら、ディーナス症候群の元ネタもこちらになっているかもしれません。地球を脅かす温暖化と、同じく脅威である災魔一族のディーナスというのは納得感のある関連性です。
 また、新田美波のヴィーナスシンドロームについても、女神に刻み込まれたように乙女が振舞うというようなことを歌っていますし、「金星のようになる」≒「女神のようになる」と捉えれば、関連性を見出せます。

おわりに

 以上のことから、ヴィーナスシンドローム、ディーナス症候群の2曲の曲名の元ネタは、地球温暖化に関しての警告の語であるVenus syndromeであると考えます。
 ただし、Venus syndromeの発祥年代の確認ができていませんし、当然ながら曲名をつけた方に答えを聞いたわけではないので、あくまで「元ネタらしきもの」ということで、お願いします。

 毒にも薬にもならない……いえ、最近は毒素が強い当ブログですが、珍しく実りのある記事になったように思います。これもヴィーナスの加護でしょうか。

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