TCGから得る教養

カードゲーム





 大事なことはすべて〇〇が教えてくれたというような言い回しで、自身の好むコンテンツを讃えるのを見かけることがあります。すべてとは言いませんが、わたしにとってのそれはTCG(トレーディングカードゲーム)でないかと考えます。とりわけ遊戯王OCGは直撃世代であり触れている期間も長く、もっとも影響を受けたものと思います。

 遊戯王カードに触れる前、幼稚園児の時分のこと。
 近所になぜか頻繁に投棄されていたポケモンカードを拾い集めていました。憧れのヒーローに倣うのなら、まさに「カードは拾った」状態です。
 当時はTCGというものがわからず、ただただポケモンが描かれているカードとして集めていました。見つけた時に拾うというのが主な入手方法だったので、枚数もそれほど多くはなかったように思います。

 ポケモンカードを集める幼き日のわたしを、母は「××くんはポケモンのカードを見てカタカナを読み書きできるようになったのに、あんたは何でひらがなも読めないの!」と叱っていました。こうして思い出しても、昔から出来が悪く、期待に応えられず申し訳ないばかりです。しかし今はひらがなとカタカナの読み書きができているので、許してほしいです。


 その後、遊戯王カードを手にしてからは、徐々にカードから学びを得ていきました。
 攻撃力や守備力、ライフポイントの計算の為に簡単な加算減算はできるようになりました。カード名から、言葉や概念を学びました。避雷針というものの存在を認知したのは遊戯王からでした。また、日常的に使うかはともかくとして、英単語なんかも遊戯王から覚えることが多かったです。昨今よく耳にするようになった「インフルエンサー」で知るよりも先に《インフルーエンス・ドラゴン》から”Influence”という単語とその大雑把な意味を知っていました。

 その他にも、天使は階級で羽の枚数が違うとか、古生物の名前だとか、大アルカナ22種と別に小アルカナというものがあるだとか、ナスカの地上絵にガチャピン 巨人の絵があるだとか、雑学のようなものを知ったりもしました。カードに落とし込むにあたってアレンジがされるものもあるので、その雑学のすべてが正しいものではないでしょうが、10個に1個ぐらいは役立つ知識もありましょう。


 だからといって、TCGプレイヤーは教養ある人間であるなどという妄言は吐きません。しかし、わたしが何とかかんとか社会で生活できていることには、少なからず遊戯王カードに触れた経験が活きていると思っています。
 熱を上げて向き合うのなら、遊びであっても学びに繋がるということかと。

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