プレミアムバンダイから取引停止を通告された話

その他





冒頭文

 おはようございます。今年もバンダイの販売戦略にまんまとハマり変身ベルトを買ってしまった典藻のりもキロクです。
 よい玩具ですよ、変身ベルトガヴ。コレクター玩具のゴチゾウもまたよい。

 年々ひどくなる消費者を小馬鹿にしたような売り方はともかくとして、さすが玩具メーカーの大家だけあって、出来は毎回まあまあの水準です。不良品なんかもそこそこにありますがね。
 
 そんなバンダイの直販webサイトであるプレミアムバンダイを利用し始めて既に10年以上。
 色々ありました。パッケージ破損であったり、誤納品であったり、不良品であったり……。まあ母数が大きくなるほど目につく瑕疵も増えるわけですね。

 しかし拭えないバンダイへの不信感。
 今こそ語らねばなりますまい。わたしのバンダイへの不信感、その理由を。
 

プレミアムバンダイから言い渡された取引停止

 忘れもしません。あれはたしか2年前……。2022年の10月頃のこと。たしかそう。たぶん。

 当時にして利用歴9年のプレミアムバンダイから取引停止を言い渡されました。
 急なことで驚きました。長い付き合いの相手から絶交を言い渡されたようで悲しかったですね。

 しかし、よくよく理由を確認してみれば、完全にこちらの落ち度によるものでした。


 当時、ちょうどクレジットカードの有効期限が切れ、新しい期限のカードが発行された頃でした。
 これだけでお察し頂けたかもしれませんが、クレジットカード払いで予約していたものが発送直前に決済不可になったことが事の発端でした。
 もちろん、プレミアムバンダイからのメールやwebサイトマイページにて支払方法の変更を促す連絡はありました。

 連絡があれば、こちらも当然新しいカードを登録し、支払方法変更の手続きを行いました。
 ああしかし、間の悪い事。
 安くて数千円、高くて数万円のweb決済をごく短い時間に連続して行った為か、複数件あった予約の内のいくつかはクレジットカード会社側の原因での使用不可により支払方法の更新ができていませんでした。
 結果、該当する注文を含めてその時点での予約はすべてキャンセルになり、さらに今後の取引停止を言い渡されることとなりました。

 決済方法の変更ができなかったことについて、わたしの元には【プレミアムバンダイ】ご決済変更結果のお知らせという件名でメールが届いており、件名だけを見て「よしよし変更できたようだな」と誤認していました。呑気なことですね。

 ええ、完全にわたしの落ち度でした。
 その後、問い合わせフォームからの連絡と数回のやりとりを経て、キャンセルされた予約注文のうちの一部は取引再開が叶い、「次は無いからな(意訳)」と念押しをされ、現在は取引可能な状態が継続しております。



 はい、そうですね。
 支払い方法の変更手続きを行うことが出来なかったわたしが悪いです。
 わかっていますとも。
 ですので、ここから先は逆恨みと愚痴と思って読んで頂ければ。


それでももうワンクッションが欲しかった

 今回、支払方法が更新できなかったことで、これ以降に予約していた分も含めて「お客様都合でのキャンセル」となり、更に取引停止の通告を受けることとなりました。

 先に触れた通り、こちらの勘違いや見落としに起因するものであり、また社会人としての常識に欠ける行為でありました。諸々の処理に手間もかかるでしょうし、大変にご迷惑をおかけしてしまったものと思います。

 それらを踏まえたうえで、それでも予約分すべてのキャンセルの前に、声かけが欲しかった。
 当時のわたしといえば、そこそこに仕事が忙しく、事あるごとに送られてくるプレミアムバンダイからのお知らせやメルマガに「またいつものメールだな」以上の認識を持てず、内容の確認にまで至りませんでした。
 メールのタイトルに【最終通告】のような強い表現を使って見落としを防いでほしかった。フールプルーフを設けてほしかった。
 そんな甘え心があるもので、自分が悪いと分かっていても、2年が経って未だに納得ができていない部分もあります。 

自分のことを「よい客」だと思っていた

 ワンクッション欲しかったなどという妄言を吐くに至る要因として、それまで自身を「よい客」だと思っていたことが挙げられます。

 まず、ほぼ毎月何かしらを買っていました。数千~数万円という決して安価ではない買い物を数年単位で毎月のように続けていました。

 フィギュアや変身アイテム、稀にアパレルやアクセサリなど、決して安価なものではなく、その費用を捻出する為に食事にかける金額を削ったりというようなまっとうな節約もしておりました。
 仕事に多忙な時期は、こんなに働いているのに昼食が値引きシールの貼られたパン1個ということに悲しくなることもありましたが、それも玩具ひいては楽しい時間を買う為と思って耐えていました。

 幼少の時分の刷り込身により、バンダイは楽しい時を作る企業だと思っていましたからね。


 また、多少魅力に欠ける商品でもお布施と思って買っていました。
 毎月のように買い物をしていれば、受注段階でいまいち魅力的に感じない品物もありました。

 例えば、以前に当ブログで記事にしたことのあるDXウルトラアナライズ図鑑です。劇中登場商品でもないオリジナル玩具であり、番組で魅力的に販促されたようなものではありませんでした。
 連動させて遊ぶウルトラメダルがそもそも品薄で手に入らないレアものであり、図鑑を買ったところで収録音声を十全に楽しめるようなものでもありません。しかしながら、これの売れ行き次第ではもしかしたら品薄だったメダルの再販など、ウルトラメダル難民救済の措置がとられるかと期待して、今後の商品展開へのお布施と思って購入しました。まあ、救済なんてありませんでしたね。

 もうひとつ例を挙げるなら、S.H.フィギュアーツ仮面ライダーゲンムゾンビアクションゲーマーレベルX-0(名前が長い)もお布施のつもりで購入したものになります。
 こちらの予約開始は2020年4月でして、ちょうどコロナ禍の最中にあったころです。
 このフィギュアはそれまでに発売した仮面ライダーゲンム系統のフィギュアのパーツの組み合わせ商品になっていて、新規造型がない(はず)省コスト商品でした。
 ああ、このコロナのタイミングでこれを受注開始するということは、バンダイなり人員をなるべく動かさずに「新商品」を発表しようと考えてのことなのだろうと捉え、がんばる企業への応援と思い購入しました。
 仮面ライダーゲンムはキャラ人気もあり可動フィギュア化に恵まれていて、このゾンビ~X-0と似た姿のものが既に数体我が家にいる状態でした。
 コラ画像素材として有名になっているこち亀のワンシーンのごとく、キャラを知らない人からすれば「全部同じじゃないですか」と言われる程度には違いのないフィギュアたちです。
 はたしてこのお布施に意味はあったのか。

心境の変化

 一方的に長年の付き合いだと思っていたバンダイから拒絶されたことで、心境の変化もありました。陳腐な表現ではありますが、目が覚めました。

 プレミアムバンダイ限定のものに限らず、長い時間をかけて集めたバンダイの玩具たち。
 たくさん集めた「ぼくのたからもの」が、山積するプラゴミと紙屑に見えるようになった瞬間は我ながらショックでしたね。
 とはいえ、玩具ひとつひとつにある程度の思い出があります。
 「これは○○で買ったやつ」「これはガチャガチャで中々でなかったやつ」「これを買いに行った日は寒かったなあ」「この玩具はギミックが楽しくて好きだったなあ」……と。
 目が覚めて、他人から見た通りの「いい歳をした大人が夢中になるようなものじゃない」という現実に立ち返りはしましたが、それでも捨てることはできませんでした。

 だから今でもゴミの山たからものはわたしの元にあります。
 以前よりかなりペースは落ちたものの、そのゴミもまだまだ増えていっています。
 夢が無くなっても玩具を捨てられない。つくづくオトナになれない、いつまで経ってもコドモな自分を自嘲します。


 それでも以前よりは頭が冷えました。
 フィギュアや変身ベルトの商品を宣伝するメルマガを受け取ったときに、買うか買わないかの取捨選択が以前までなら取9:捨1だったのが、取3:捨7ぐらいには変化しました。
 少なくともお布施と思って購入するのはやめました。

 先述の通り、熱心に買ったとして母数が増えればその分不良品にあたる確率も上がってしまいますからね。これもひとつのリスクヘッジでしょう。


 所詮は他人のつくった「楽しい時」。
 所詮は他人のクリエイションによる「夢」。
 いつかは冷めるし、いつかは覚めるでしょう。わたしにとってのそれがこの時だったのでしょうね。

所詮は商材、愛は無い

 今から書くことは、わたしの認知機能が適切に働いておらず物事を歪曲して捉えているという前提でお読みください。
 ありていに言えば、異常者のたわごとです。


 当時のメールのやりとりを砕けた文体にしますと、
「支払方法変更の手続きをしたのに何でキャンセルなんですか!」
「変更されていません。ちゃんとメール読んでます?」
「すみません。よく読んだら変更できていないことが書いていました」
「仕方ないですね。『今後は規約を守ります』と誓うなら、取引再開してやってもよいですよ」
「申し訳ありません。『今後は規約を守ります』。買わせてください。お願いします」
「次は無いからな」
 という具合になります。

 このやり取りの3行目と4行目の間に「こちらはこれまで不良品やパッケージ破損品を買ってもクレームのひとつも入れなかったのにあんまりじゃないですか」という旨の言葉も伝えてはいましたが、これに関しての返答は何一つありませんでした。
 いくらわたしでもわかります。問い合わせの本題と異なる内容にいちいち答える道理はないでしょう。

 それでも、販売側は売れさえすれば何でもOKで、購入側は一度の失敗で関係を切られるというのは面白くありません。
 耳に障る甲高い声でのしつこいyoutube広告や、取引停止を通告した翌日以降も送られてくる商品宣伝のメルマガ……。広報には力を入れても、一度売ってしまった商品については事務的に正しい手順が踏まれなければ感知しない、と。

 社会人的には正しいと思います。
 しかし、わたしの印象としては、所詮玩具メーカーも夢だのなんだのと言いながら、玩具は商材でしかなくそこに愛は無いのだと感じました。
 商材に愛が無ければこそ、その購入者など歯牙にもかけないのでしょう。
 

大海に唾を吐いても意味はない

 何やかんやと不満はあっても、わたしは所詮いち消費者に過ぎません。
 相手は天下のバンダイナムコホールディングス。大企業を相手に意見をするのに、大株主でも無ければ見向きもされません。

 取引停止~再開までのメールのやり取りで、「規約を守ります」と誓約を求められたとき、とても惨めな気分でした。
 それまで「よい客」だと思っていたのに、ある意味で生活の質を引き換えにしてまでファンとして「貢いで」いたのに、事を荒げない為に少しのパッケージ破損は悔しさを飲み込んで見過ごしていたのに、「お前は規約も守れない」と言われたのが悲しかったです。実際に支払方法の件で違反した扱いではあるのですがね。

 店側にも客を選ぶ権利があるのは当たり前なのです。
 ですから我々はバンダイにとってより都合のよい客になれるよう、「どうか商品を売ってください」と頭を下げてお願いすべき立場にあるのです。
 完全版商法だろうが分割商法だろうが、中毒者のごとくバンダイ玩具から離れられないのなら、惨めさや悔しさをこらえて、嫌われないようミスをしないよう振舞うほかないのです。

 相手は大企業です。いち消費者を切ったところで、痛くも痒くもないのです。消費者は身の程を弁えなければなりません。
 

おわりに:その後の向き合い方

 以上、わたしがバンダイへの不信感を持ち続けているという話でした。それでも定期的に玩具を買っています。
 いわば反転アンチのような立場かと思います。

 相手からすれば玩具は売れさえすればどうでもよいただの商材で、消費者の満足度も気にかけるようなものでないと分かって以来、だいぶイメージが変わりました。

 イメージが変われば応援したいという気持ちもなくなります。食のクオリティを落としてまで限定品の購入費を無理に捻出するような生活はしなくなりました。
 どうせコンプリートできようもない玩具を熱心に集めることもしなくなりました。カプセルトイにしても食玩にしても、売り場を巡って在庫を見つけるのに時間を使い、「揃うまで買う」「目当てのラインナップが出るまで買う」ことにお金を使うなんて、冷静になれば非常に馬鹿らしいことですからね。

 ティガ、ギンガマン、デジモン、おジャ魔女、クウガ……。思えばそれまでは、当時DX玩具が欲しくても手に入らなかった記憶に囚われていただけだったのかもしれません。
 大人になって自分で玩具を買えるようになったんだということを嬉しく思っていたのですよ。
 そんな夢も覚めました。随分長い夢でした。
 もっと長く夢見ていたかったなあ。

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