年上かつ異性の部下の扱いに頭を悩ませている

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 今回は仕事の愚痴です。聞きたくない方も多かろうとは思いますが、まあ、そこはそれ。いつもの通り、自身で運営している個人ブログに何を書こうと、ある程度はわたしの自由ということで。

 一言で仕事の愚痴と言っても、業務内容であったり、待遇であったり、いろいろとあります。今回、書いておきたいのは、人間関係についてのことです。そうですね。わたしが嫌いで苦手な人間関係です。ただ、アルバイトも含めれば20年近く労働者をやっている身ですので、嫌いなり・苦手なりの処世術というものはあります。

 その処世術が裏目に出たと言いますか、或いは相手方がイレギュラーだったのか、わたしから見て「年上かつ異性の部下」という属性になる従業員に頭を悩ませることになった話です。

事業所内ではわたしが最年少

 ご存じの通り(?)、わたしもそれなりによい歳をしたオジサンです。しかし、事業所内ではわたしが一番の若手になってしまっています。かつ、「現場責任者」のような意味合いの役職もわたしに与えられてしまっています。つまり、わたしから見て「部下」にあたる従業員は、全員がわたしよりも年上になります。

 若手で責任者になっているいうのは、今の職場……と言いますか、福祉職全体で見れば自慢できるようなことではありません。なにしろ、全体に人手不足な業界です。語弊がありますが、「将来有望な若者」が好き好んで選ぶような仕事ではありません。さらには、「いらない仕事」とまで言われる始末です(過去記事参照。ずっと根に持っている)。せっかく入職した人間も1年2年で辞めることもざらにあります。
 「いらない仕事」と言われてしまうような仕事しかできない、ほかに転職するような技能のない、そんなわたしがずっと続けている内に「事業所内では最年少だが、経験年数がある」という状態になります。さらには「自分は責任ある立場になりたくない」という考えの従業員もいるわけで、消去法で、わたしのような者にお鉢が回ってくるというのも、ごく自然な流れなのです。

 肩書があるからといって、どれほどの裁量があるわけでもありません。役割としては、いわゆる中間管理職というのが近い表現かと思います。管理業務を行いつつ、「責任を持ちたくない」「出来るだけ仕事をしたくない」と表明している従業員に割り振れない仕事を自分でやるうちに、担当件数もいちばんになってしまいました。いつぞやの記事で「いちばんになりたい」とは書きましたが、事業所内での仕事量がいちばんになるというのは望んでいません。

 でも、ほかにやる人がいない以上は、わたしがやるしかないとわかっています。幸いにして、身体は頑丈ですし、精神面はゾンビの如しです。常人より能力に劣る身ではありますが、「体が壊れない」「心が死なない」という部分でどうにかしています。

年齢なりの働きを期待してしまう

 わたしの立場からすると、新たに入職した従業員であっても、それなりの年齢で「社会人経験あり!」と言うのなら、ある程度の働きを期待してしまいます。なにも、即戦力を求めているわけではないのです。職種や業界の違い、ブランクで勘が鈍ることもわかっています。ただ、社会人としての振る舞いは求めさせてほしいのです。

 任せた業務の進捗を訊けば「え? 報告しなきゃダメですか?」。メモを取っても「どこに書いたかわかりません!」。取引先に一報入れておくように伝えれば「電話で何て言えばいいかわかりません!」。入職して○ヶ月が経ち、「このぐらいの仕事なら任せられるだろう」と業務を振ろうとすれば「そんなのひとりじゃできません!」。なるほどキャパシティを見誤った(期待しすぎた)と思い、力量にあわないだろう仕事をこちらで片付ければ「仕事を任せてもらえなくて、信用されていない!」。自信と実力の乖離から発生するダブルバインドに、随分悩まされました。
 あと、面接時にPCスキルの程度を「前職での経験があるので、簡単な入力作業はできます」と自称していたにも関わらず、「ファイルってなんですか? フォルダってなんですか? 右クリック? 左クリック?」というレベル……。自己評価の高さからくる申告を真に受けたわたしが悪かったのかもしれません。
 
 仕事には向き不向きや成長速度の個人差があるものです。社会人経験、年齢なりに期待する仕事ができないとしても、「年の功」で職場に貢献してくれれば、そこに活躍を見出せる……と思ったのですが。
 私語に勤しんで時間がなくなれば「私だって忙しいんです! これ以上は無理です!」(これについては意訳ですが)とキレるわけです。あるいは、同僚の陰口を叩いたりですね。取引先の人間に自分の仕事を任せて、手際が悪ければ愚痴を吐くということも多かったです。仕事について、当事者意識というものに欠けているとよく注意しましたが、「あなたが出来るからといって、誰にでも出来ると思わないでください!」と逆上されてしまいました。
 その他、仕事に関係ないパーソナルな部分も含めると、言いたくはないですが、40代女児という印象がぬぐえません。

 一方で、「最近の若い子は」というような、いわゆる世代マウントを取る癖もありました。
 今でいえば「Z世代」と呼ばれるように、自身より後に生まれた世代の人間相手にレッテルを貼って悪し様に罵るというものです。わたしも新社会人の頃は「ゆとり」だの「さとり」だのとバカにされたものです。生まれ年などという、本人の努力では変えようのないものを根拠に相手の価値を測るというのは、如何にも個々人に向き合っていない「人間好き」らしいやり口です。この点に関しては、仕事どうこうだけでなく、個人的に嫌いな部分でしたね。

なんでもハラスメントな現代社会

 いくら性根がひねくれてようと腐れていようと、わたしほどの悪性ではありません。なので、人間性という点においては、実害が出ない以上はなにも咎めません。しかし、仕事については口出しをします。上司ですから。
 仕事面での注意をしたところで、あとから「そんなこと聞いてません!」「なにも教えてくれない!」「いつも忙しそうにしていて、質問できない!」と言われてしまいます。3つ目に関しては、誰の仕事を代行して忙しくなっているのかと想像してほしいところです。

 ここで悩みどころなのが、相手が「年上かつ異性」で「部下」であるというところです。なんでもかんでも「ハラスメント」として声高に訴える人間がいる世の中で、それらの属性はわたしにとっては腫物です。実際、言葉を選んで注意したとして、逆ギレをするか、不服そうな顔をするわけです。「ハラスメントは言われた方がイヤな思いをしたら成立する」ということを考えてしまうと、コミュニケーションは限られてきます。

 逆に、あちらからは
・お客さんの前で、わたしの話し方をバカにして笑う。
・言われたらイヤなことだと一度注意したことを、二度三度繰り返して「あ、これ言われたらイヤなんでしたっけ?(笑)」
・これらを経て体調を崩したところで、会話中に「声が小さい」と言われ「すみません、今日体調が悪くて」と返せば、「そうですか」とふてくされデスク上のものを乱暴に扱う。
 という扱いを受けるわたし……。わたし、一応とはいえ、上司なのですが。

 多重のハラスメントバリアを構えつつ、こちらには攻撃をしてくるというのには参ります。で、その延長線にあるのが、以前に記事にしていました職場トラブルの件です。

「怪人冥利に尽きる」

 件の部下は、わたしへの不満を人事に通報しました。ご丁寧に、自身の味方を募って、一種の派閥を作った上での行動でした。「怪人冥利に尽きる」という題で記事にした出来事ですね。わたしが共通の悪役となって、職場に一体感が生まれるのなら、それもよいとは思っていました。

 曰く、わたしは「冷たい」そうで、まあ、たしかに非人間的ではあります。実際、自認はヒトモドキですから。悪役・怪人として、「正義の味方」に倒される……と思っていましたが、そういうことにはなりませんでした。

 あちらの派閥の人間は、当然ながら彼女の意見しか聞いていないのです。わたし、無口ですから。
 事態も佳境となったところで、先に書いたようなわたし側の考えや事情を知った相手が、徐々に中立の立場に変わっていきました。それはそうでしょう。客観的にみれば、わたしの落ち度はコミュニケーション不足、あちらの落ち度は社会人としてのスキル不足の棚上げで、「どっちもどっち」なのです。

 派閥が解体されたことが不満だったのか、一時であっても味方になっていた同僚たちに対して、彼女の態度は目に見えて悪くなりました。そうなれば、更に人は離れていきます。
 現場責任者として、職員間の仲をとりもて、などとは言わないでください。なにせ、わたしより年上の方々ばかりなのです。よい歳をした大人なのですから、自分の機嫌ぐらい自分でとってもらえないと困ります。

 わたしとすれば、中間管理職として、上から「あの人、成績わるくない?」「仕事できてる?」に対して、口八丁手八丁で誤魔化して庇ってきたのです。逆パワハラのようなことをしてくる相手を庇うというのは、随分と堪えます。ただでさえ人間嫌いなのに。

 結局、わたしという悪役な怪人は、職場を追われることもありませんでした。

「人間嫌いとしては、とりわけ『人間好き』が嫌い」

 彼女自身は「人間好き」という語を用いたわけではありません。しかし、端々のアピールや「愛」がどうこうと語る様は、わたしの嫌いな「人間好き」そのものでした。「人間嫌いとしては、とりわけ『人間好き』が嫌い」という題の記事の通り、わたしはこの手の人間が特に嫌いです。

 案の定……と言うと、あまりに悪意的ではありますが、ええ、しかし、案の定です。人間個々人に向き合わず、上辺の言葉だけでまとめた派閥では、分解も時間の問題だったということでしょう。そう、わたし以上に上辺だけの人間関係なのです。高校時代に敵対した彼女らも表層上の友情が瓦解して、ああなったわけですから。口では何と言おうと、(自分にとって都合のよい)人間が好きなだけなのです。

結局、正解はわからない

 自信過剰と他責傾向、年齢にそぐわない女児の如き振る舞いをする部下に対して、どのように接するべきだったのかというのが、わかりません。わたしが人間関係の構築・維持を苦手としているということに第一の問題があるのはわかります。

 仕事の覚えが悪いことだけなら、わたしは怒りません。取ったメモをなくすことも、まあ許容範囲です。私語を優先して仕事をおろそかにするのなら、対応を厳しくします。厳しくなった対応に文句を言われるのなら、甘やかしっぱなしが正しかったとでも言うのでしょうか。仕事全般において当事者意識が薄く「自分以外の誰かがやるべきこと。遅れや失敗は自分以外の誰かの所為」という姿勢を注意してはいけなかったのでしょうか。

 「やりたくない」「わからない、できない」で外の仕事をわたしに集中させて、管理業務で内の仕事も増えて、上からの指摘の盾になって、その結果「冷たい」と言われるのです。増えた仕事をものともせずに、ニコニコしていられれば、よかったのかもしれません。しかし、あいにくと、わたしは体調を崩してまで愛想笑いをできるほど役者ではありません。

 これだから、人間関係というものは。

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