今年の5月ごろから、アパートにハチが居着いています。今のところ、危害を加えられることないので、どうにか共生したいと思っています。いえ、ハチといっても、渋谷の守護神ではありません。「へぇ、あんたもナナっていうんだ。贅沢な名だねぇ。今日からお前はハチだよ」のハチでもありません。
昆虫のハチです。黄色と黒色のカラーリングの、あのハチです。
種類はおそらくアシナガバチです。5月ごろからアパートに近くで飛び回っているのを見るようになったと思ったら、いつの間にか階段に営巣を始めていました。蹴込みの狭い空間に出来た巣が段々大きくなる様子に、自然を感じています。相手がハチなので、刺されるのは怖いのですが、一生懸命に巣を作っている様子を毎日見ていると、あちらから何かしてくるまでは駆除を考えるようなものでもないと思えてしまいます。
たまに、一見して体に損傷はないのに地に落ち臥して、ピクリとも動かない個体を見かけます。おそらく死んでしまっています。ハチの顔の見分けはつきませんので、あれが誰なのかはわかりません。物陰でサボっているのを出勤時に見かけたあの個体かもしれませんし、階段を営巣場所に決めて初期に1匹で作業していた個体かもしれません。
なぜ死んでしまったのかもわかりません。寿命なのかもしれませんし、連日の暑さのせいかもしれません。まあ、この暑さですから、ハチだって熱中症に倒れることもあるでしょう。住宅建築作業中の事故です。労災です。
わたしはヒトの巣……住宅を建てるような技術を持っていません。それを誰かに発注できるようなお金もありません。マイホームへの憧れがないといえば嘘になります。しかし、家を建てるというのがどれほど大変なことなのか、想像すらできません。なので、クモの巣ですら可能な限り払いのけることをしません。クモが苦労して作ったマイホームですから。
ただでさえそうなのに、毎日巣が出来上がっていく様子を見せられているハチのマイホームに手出しするのは、気が引けます。死亡者を出しながらも暑い中がんばっているのを見てしまっていますから。
生活動線にハチが飛び回っているというのは、やはり怖いです。とはいえ、巣を壊すこともできません。その為、ハチから襲われないように、活動中のハチを見かけた時は声に出して「お疲れ様です」「暑い中大変ですね」とあいさつするようにしています。言葉は通じなくても、「敵ではない」というのが伝わればよいな、と。ヒトもハチもご近所トラブルを未然に防ぐのは日々のあいさつなのではないかと。
わたしの自転車(入居者の私物ですよ!)を勝手に処分するような、そしてゴミステーションに打ち棄てられた放置自転車(真)は処分しないような管理会社ですが、新しい住人の家を壊しに来る様子もありません。今回ばかりは、共益費の気まぐれな使い方を良しとしましょう。
お互いに害することなく、不可侵を守り、ハチと共生していけたらと思っています。
アパートにいるハチと共生したい

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