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前回の続きになります。
千々に乱れる心を鎮めるべく、わたしは「物書きを仕事にした」という事実が欲しいのです。つまりは、書いたものに金銭的価値を発生させたいのです。
自分が書いたものに金銭的価値を伴わせたいのなら、方法のひとつとして「自ら売り込む」というのが手っ取り早いかと考えました。1文字いくらで何か書きますよ、と。売り込みの為に、クラウドソーシングなるもののサイトに登録をしてみました。そこで現実を思い知らされました。
わたしの書くものに金銭的価値がないというのは自覚したばかりではありますが、これをよりいっそう痛感することとなりました。
わたしには、何の付加価値も、実績も、アピールポイントもありません。スキルと呼べるものが何一つありません。売り込もうにも、売れるものを持っていないのです。いつぞやも言っていましたが、これまでなにも頑張ってこなかったのだから、なにも身に着いていないのだというのは、ごく当然のことではあります。自覚する度に落ち込みますが。
福祉用具の選定ができるとか、その設置や調整ができるとか、車いすを修理できるだとか、残念なことに、そんなものはスキルの内には入らないのです。物書きの仕事に対して、用具の知識など意味のないものです。さすがはお役人から「他業種が兼任できる」「恥を知れ」、つまりは「いらない仕事」と蔑まれるだけのことはあります。もちろんこれは自嘲と嫌味ですので、本当に「いらない仕事」だとは思っていません。ただただ根に持っているだけです。
わたしの仕事に意味があるとかないとか、誇りを持っているとかいないとか、その実際はともかくとして、やはり物書きとしてのアピールポイントになるものではありません。何かを書くという仕事を得る為には、これらの経験は求められません。
とにもかくにも、面白い記事を書けなければいけないのです。心構えだとか、物書きとしての矜持だとか、そんなものは仕事を依頼する側からすれば二の次でしょう。仮に、他人の文章に敬意を払わないような物書きだとしても、実力さえあれば認められ求められるのです。如何に力を示せるか、如何に名を売れるかが大事なのです。
自己アピールは、わたしのもっとも不得意とするところです。自分の中に自慢できるようなものがありません。これまで生きてきて、他人に誇れるような実績などありません。わたしに出来る程度のことは、誰にだって出来ることです。誰にだって出来るのなら、わざわざ、わたしを選ぶ理由などないでしょう。
スキルと呼べるものがあれば、きっと自信にもつながるのでしょう。ああ、スキルがほしい……！
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