
今年も、仮面ライダーとスーパー戦隊の映画を観に行きました。毎年「よかった」とか「楽しかった」とか、変わり映えのしない感想を述べているわけですが、そのあたりは今回も変わりありません。よい映画でした。
ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード

戦隊のほうのタイトルは「復活のテガソード」です。
冒頭から劇場版ボスにテガソード様が倒され、命の危機に瀕します。ゴジュウジャーは、TV本編では敵対しているブライダンの手を借り、事態の解決に向かいます。
TV本編でこの先どうなるかはわかりませんが、ゴジュウジャーとブライダンの共闘というのは、今のところ映画ならではの展開でよかったです。強大な敵を前にして、利害の一致から、敵味方が手を取り合うという展開はいつの時代も胸を熱くしてくれるものです。「ルギア爆誕」のロケット団とか、よいですよね。
弟がらみのミッションではなかったということもあり、本編ではアレなクオンがまっとうにカッコイイ悪役をやっていたのもよかったです。この人、こんなにカッコイイ時もあるんだ……、と。
劇場版のゲスト俳優として、ゴー☆ジャス氏が出演するという前情報を得てから、ずっと「これを観たい!」と思っていたものが観られたのもよかったです。期待に応えてくれる制作。
また、同じくゲストキャラとして、前情報にはなかったスペシャルゲストも参戦していまして、素晴らしいガッチャでした。
あと、特に脈絡なく「かしわもち」も見られる映画です。

SNSで「ぜひセンタイリングを身に着けて劇場へ!」という情報を仕入れていたので、前日に妻と「どのリングにする?」と吟味して、それぞれに選んだものを着けていきました。おかげさまで、劇場でエンゲージできましたよ。
当ブログで個別記事を書くぐらいには好みのキャラクターである熱海常夏も登場し、さらには友の為に戦う姿を見られて嬉しかったです。あと、劇場版ボスの課す試練が常夏冒険城を彷彿とさせるものでした。
おそらく黙示録の四騎士がモチーフであろう劇場版ボス 疫病のペスティスもよい味を出しています。あの世界の神であるテガソード様を倒すほどの力を持ちつつ、なんか絵面が面白い試練をゴジュウジャーに課したり、非公認戦隊ファン歓喜の「冥途の土産」を聞かせてくれたり、名前を間違えて呼ばれる度に訂正したり、行動だけを書き出すと「クレヨンしんちゃん」の劇場版キャラのような振る舞いでした。
口ぶりと推定モチーフから、同族があと3人はいそうなので、TV本編でゴジュウジャーやブライダンと相対することになりそうです。四騎士モチーフとなると、残るは貪食のイナギウス、戦乱のツルギウス、君臨のシハイウスとかになるのでしょうか。
少々、心が弱っているタイミングで観に行った為、テガソード様の「どうしようもなく人類を愛している」発言や、「願いを言え!」のあたりで涙を流しながら観ていました。本来、よいシーンではあっても、泣くほどのところではないのですけどね。
仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者

仮面ライダーのほうのタイトルは「お菓子の家の侵略者」です。
内容的に、看板に偽りなしではあったのですが、いや、なんというかこう……本編に負けず劣らず、けっこうダークでした。同時上映のゴチゾウのショートムービーで癒し要素でも中和しきれないダークさです。
TV本編世界から異世界に飛ばされてしまったショウマの出会いや戦いが描かれます。仮面ライダーシリーズでいえば、「ウィザード」の劇場版が近いでしょうか。
我が妻からムシバッキー様というあだ名をつけられた本作ボスのカリエスをはじめ、ゲストの演技がとてもよかったという印象が強いです。演技が素晴らしいが故に、敵側は、気持ちよいぐらいの悪役として活躍してくれています。
物語の展開的に「許せない」こともありますし、設定上の生態的にも、共存の余地がなさそうだったので、敵を倒すことに説得力が持たされていました。名悪役たちです。
「ニチアサで見られる『アマゾンズ』」という評価を一部で受けている「ガヴ」ですが、その要素は劇場版でもよく出ていました。要するに、まあまあグロくてエグいです。
敵の生態からくる共存不能は「アマゾンズ」のシーズン2の彼を思わせますし、ヒト型の非人類を養殖している様子は劇場版のアレを想起させます。マイルドアマゾンズです。いや、マイルドではない。
ヒーローものとして真っ当に熱い部分もあります。なかでも個人的にグッときたのは、本編で和解の道がなかったストマック家の兄・姉たちがショウマを助けにきたシーンです。厳密には、ショウマを助けることが主目的ではなく、お礼参りにきたのですが、グロッタ姉さんの「末っ子たち」という呼び方がよかったです。発言した当人からすれば、これは末の双子と部外者のショウマを指す意味合いですが、聞き方によってはショウマを含んだ本来の末っ子たちとも捉えられます。もしかしたら、こんな世界もあったのかもしれないと、熱さと切なさを感じました。
TV本編からしてそうなのですが、いわゆる中間フォームの扱いがよいことも、「ガヴ」らしくてよいところです。本編での序盤・中盤の強化であるケーキやアイスが一定の強さと役割を持って、映画でもうまく使われていました。玩具の販促としてみても大変素晴らしいと思います(品薄から目を逸らしつつ)。
ところで、序盤でカリエスがショウマと交戦する際に、部下を犠牲にするシーンがあります。戦隊のほうでも、ペスティスが部下を犠牲にすることを厭わないという旨の発言をしており、実際に部下ごとゴジュウジャーを爆破したりしていました。
病気モチーフ(ペストと虫歯)+部下を犠牲にすることを厭わないという敵のキャラクター造形が戦隊とライダーとでかぶっています。「ネタがかぶることなんてあるんだ」と一瞬思いましたが、ビルドとルパパト(ヒーロー同士の合体)やジオウとリュウソウジャー(タイムスリップもの)など、案外かぶっていました。ネタがかぶっても、それぞれに違う味がするので、何ら問題はありません。
おわりに
センタイリングを着けて劇場で「エンゲージ!(心の声)」ができて、素晴らしい映画体験ができました。プリキュアのミラクルライトもそうですが、子ども向けの映画はこういうのがあってほしいです。
あと、映画の入場特典がゴチゾウやセンタイリングでなくてよかったとつくづく思います。どちらも、人気であったり転売商材にされていたりで、常に品薄の玩具です。特典にされてしまった日にはどんな惨状になっていたか、想像もしたくありません。
わたしの職種に夏休みはありませんが、「夏休みに映画を観る」というノスタルジーを疑似体験できるので、この暑い時期も悪くないと思う瞬間もあります。あくまでほんの一瞬ですけど。
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