「■■は女が相手だと率先して手伝うよな」
言われてみれば、確かにその通りです。以前に上司に指摘されて気がつきました。
職種柄、重い物を運んだり、車の荷台への積み下ろしがあり、その際に女性の同僚や、同じく女性の取引先の方が作業しているのを見ると、何も考えずに自然に声をかけていました。
これを指摘した上司の口ぶりから、「『女好き』だよな」と言いたかったものと捉えました。
さて、わたしは「女好き」なのでしょうか?
ここでいう「女好き」とは「女性に好かれるような」といった意味のそれではありません。女好きのする顔、女好きのする性格……といったものではありません。あいにくと、女性に好かれるような要素は持ち合わせてございません。
自分なりの理屈で行動すれば終身不名誉ストーカー。気を付けていても我欲が滲んで永世天然ハラスメンター。……自分で言っていて、悲しくなりますが、そもそも女好きどころか人好きのする性格ですらありません。まあでも! わたしも人間嫌いですし! イーブンですし!
わたしが自身に問いたい意味での「女好き」とは、まあざっくばらんに言ってしまえば「女の尻ばかり追いかけている」というような様を指して用いられるそれです。
女性が好きかと問うのなら、肯んじざるを得ません。男性と話すより、可愛い女の子や素敵なレディと交流したいとは思います。
しかし一方で、「あいつ女の子ばかりにちょっかいかけてるスケベ野郎だ」と看破されたくないという見栄もありますので、対外的にはそう見えないようにしているつもりです。性根はどうあれ、紳士的に、理知的に、温和に振舞っているつもりです。紳士的ならストーカーやハラスメンターにならない? 返す言葉もございません。
まあ、つまりは紳士的なつもりのガワでは誤魔化せないぐらいには「女好き」の雰囲気があるのだと思います。
職場での振る舞いは先の通り。SNSでコメントしに行く相手も、気づけば女性ばかりです。
傍から見れば「女好き」以外の何者でもないでしょう。状況証拠的に言い逃れできません。
そういえば、ストーカーの誹りを受けたころに、当事者とは別の女性の先輩とわたしが話しているのを見た正義漢から「お前いい加減にしろよ」と怒られたこともあります。わたしとしては、何の気なしの振る舞いではありましたが、「そういうふう」に見えたのでしょう。なにか、悲しいですね。
大元を辿れば、おそらく幼少の時分に母に言い聞かされた「女の子には優しくするんだよ」から来ているものと思います。
ある程度に自我が育つにつれ、「外敵」となる「女の子」も現れたことで、すべての女性に優しくするのではなく、恣意的に「女の子」認定をした相手だけを対象にするようにしているので、母の言いつけから随分と邪悪なものに変質してしまいました。「女の子に優しく」ではなく「少なからず好ましく思う女性に優しく」ですからね。
人間嫌いなのに「女好き」というのが、また何とも……こう、手の施しようのない感じで、我が事ながら呆れますね。
以上。
残念ながら、わたしは自身を「女好き」と認めざるを得ないという話でした。
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