キャラパキゴチゾウ再販を受けて

変身玩具





 どうやら「キャラパキゴチゾウ」が受注生産で再販されるようです。正直おどろきです。

 失礼しました。急に言われても何のことやらわからないかもしれませんね。
 順を追って前提を説明しましょう。


<前提:背景情報>
 現在放送中の「仮面ライダーガヴ」の劇中にて、主人公がお菓子を食べることで生み出す眷属が「ゴチゾウ」です。このゴチゾウは玩具として発売されておりまして、変身ベルトの玩具とあわせることで、個別に連動音声が鳴るものです。
 劇中での描かれ方が非常にかわいらしく、あまりの人気から玩具が飛ぶように売れ、ここ数年でも中々見ないような品薄状態になっています。眷属として大量に生み出されるという劇中設定上、同じゴチゾウが複数体存在することに矛盾がなく、ダブりをいとわないどころか、同じ種類を複数個集めたいと思わせるようなものであることも、商品の人気に拍車をかけていると考えます。

 そんな玩具のゴチゾウはおもちゃ売り場での販売のみならず、ガチャポン限定ラインナップや食玩限定ラインナップ、書籍付属限定品、特定の店舗でしか買えない限定品、等々と「いつものバンダイ」と呼ぶべき蒐集が難しい売り方をされています。
 ただでさえ集めるのが難しいのに、品薄となっては、メインターゲットである子供たちも、財力に任せて大人買いするコレクターにも手の届かない「レアもの」になってしまいます。

 「レアもの」となれば、現れるのが転売連中です。メルカリやアマゾンで見れば、とんでもない値段でゴチゾウが売りに出されています。劇中で人格らしきものがありそうな眷属として描かれているゴチゾウたちが高額転売される様は、愛のないペット売買や人身売買のように見えて気分の悪いものです。

 そのような状況の中で2024年11月11日に発売されたのが「SGライダーゴチゾウ02」という食玩です。
 全6種のゴチゾウがラインナップされており、その中でも話題になったのが、実在の商品である「キャラパキ」をモチーフにした「キャラパキゴチゾウ」でした。
 その他のラインナップの内4種については、公式の商品ページでは「先行登場」となっているものの、この記事を書いています2024年12月20日時点ではこの食玩以外ではラインナップされておらず、いつ、どの販売方法で再録されるのかが不明な状態です。
 なんの言及もない1種については、食玩限定なのか、先行して収録されているものなのかすら不明になっています。

 人気の「レアもの」であり、どことなく特別感のあるコラボ商品である「キャラパキゴチゾウ」に転売連中が目をつけないわけもありません。キャラパキゴチゾウも他の5種も、どうも刈り尽くされたようで、お菓子売り場に並んでいるのを見る事すらなく、気づけば転売価格でネット販売されていました。

 そのように「欲しい人の手元に届かない」という状態だったキャラパキゴチゾウが、この度公式から再販されることとなったわけです。


<バンダイらしからぬ良対応>
 大量生産品であるこの手の玩具……中でも食玩の類は生産ラインやら通年の計画やらの都合か、再販されることはほぼありません。なので、その年の作品が人気のあるシリーズである時は、発売日当日の争奪戦で勝ち取れなければ、その後にメーカー希望小売価格で新品を買うということはまずできないというのが常態でした。「ウルトラマンZ」のウルトラメダルなんかが顕著かと思います。
 それがキャラパキゴチゾウに限っては再販されるとのこと。

 開発スタッフの公式ブログにて「店頭での品薄状態が続いてしまっており大変申し訳ございません。」という文言と共に、上記の食玩にラインナップされたキャラパキゴチゾウと、今後発売される食玩にラインナップ予定の表情違いヴァージョンをセットにしたものを再販することが発表されました。
 公式直販webサイトであるプレミアムバンダイでの完全受注生産だそうで、期間内に注文できれば確実に手に入るようです。プレミアムバンダイ商品にありがちな、謎の抱き合わせやマイナーチェンジによる価格上乗せもなく、店頭販売の単品価格500円(税別)×2個分に送料が加わるだけという価格設定なのも驚きです。殿様商売の印象が強いバンダイらしからぬ丁寧な対応です。
 
 公式がこのような対応をするぐらいなので、クレームとは言わずとも、よほど反響が大きかったのだろうと思います。再販の調整をした担当者は大変でしたでしょう。労いと同情を贈りましょう。


<不満は残る>
 公式は頭でも打ったのかと思うような対応をしてくれたわけですが、それでも不満は残ります。
 キャラパキゴチゾウは再販されるものの、先行登場とされていた4種や、他の販売方法について商品ページ内で触れられていない1種については、現状では転売品を買う以外に入手手段がないわけです。

 わたしは当該の食玩を発売日前にamazonマーケットプレイスで予約していたものの、発売日が近づいたタイミングで発送予定日が延期になり、延期になった予定日が近づくとまた延期になりということが繰り返され、あげくに来年の4月の発送予定となった為、いつまでも発送しない詐欺出品と判断してキャンセルしました。
 予約していたので、店舗のお菓子売り場を回るようなこともしていませんでしたし、見事に買い逃しました。(まあ、仕事の繁忙につき、どちらにせよお菓子売り場巡りなど出来ませんでしたが)

 公式ブログでは当該食玩について「再生産が難しい」と書かれています。わかります。こういった場面で大人の使う「難しい」は「できない」という意味でしょう。つまりSGライダーゴチゾウ02というパッケージとしての再販は無いものと暗に言われているわけです。
 それならそれでよいのです。よいのですが、残りの5種についても何かしらの案内がほしいところです。もし、残りの5種が入手の難しい方法での販売になるのなら、転売品のSGライダーゴチゾウ02を買うことを選択肢に入れなければなりません。


 また、品薄は食玩に限ったことではありません。おもちゃ売り場に並べられるDXシリーズも、ガチャポンで展開されるGPシリーズも、店頭で見かけることがまず無いと言ってよいほどの品薄状態です。
 これらは食玩シリーズの開発とは部署が違うのでしょうから、今回の再販があったからといって、そのほかのシリーズが再販されるというものではないでしょう。
 そう思うと、ゴチゾウ品薄問題自体が解消されたわけではありません。子供も大人も買うのに苦労したり、買えなくて悲しい思いをする状況に変わりはありません。


<まとめ>
 なんとなしに片手落ちの感の否めないところではありますが、消費者の声に応えて特別に受注生産をするというのは、バンダイとしては破格の対応です。
 キャラパキゴチゾウ”だけ”が買えていない方や、”だけ”が欲しい方は迷わず注文してよいものと思います。

 わたしのように、食玩で同時にラインナップされていた残りの5種も求めている方は、キャラパキゴチゾウ”だけ”を買うことは即断せず、受注期間ギリギリまで他の発表を待つのもよいかと思います。たとえば、極端な話ですが「食玩で先行登場していたウィザードゴチゾウを抽選で50名様に販売します!」というような販売方法になることだってありえます。あるいは「食玩先行ラインナップをガチャポンで再録」などされても、そもそもガチャポンも品薄なのできっと手に入れられないでしょう。実質的に入手不可な販売方法をされるのなら、転売品の割高での購入も一考の余地があります。
 まあ、そのようなことのないように、欲しい人に行き渡る売り方をして頂けることを祈りましょう。

 あと、本日12月20日から3日間だけ開催されるイベントの会場物販限定のゴチゾウあたりも、仕事でイベントに参加できない社会人を救済する再販がされると嬉しいですね。

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