エクストラなクラスの特別感が褪せる

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 物語において、世界観に根付いた枠組みから外れたものは、非常に特別感があります。その特別感が魅力になっていたり、特別であるが故に別格のものという言外の説得力を持たされたり、一致団結して対処すべき相手として納得できるものであったりします。
 或いは、番外・規定外で現れる脅威として、隠しキャラの乱入のような驚きを与えてくれるものでもあります。アルカナフォースEXだったり究極時械神だったりオーバーハンドレッドナンバーズだったり。101冊目の白い魔本なんかもよいですね。



 そのように特別感にあふれるエクストラなクラスですが、コンテンツが長く続くことにより数が増えて、その魅力が色あせていくということもあるように思います。
 と、言いますか、わたし個人が「はいはい、またエクストラクラスね。そういうのいいから」とやや食傷気味になります。


 特にそう感じるのはSCPオブジェクトのオブジェクトクラスについてです。
 収容難度について、Safe,Euclid,Keterの3つのクラスで分類することが基本になっているわけですが、Thaumielをはじめとした基本以外のクラスが大量に存在しています。存在していますというよりは、徐々に増えた結果として、全容を把握できない状態になっています。
 SCP財団の報告書というのは、不特定多数のクリエイターによって執筆された作品群ですが、基本3クラスを外れたクラスを自身の「作品」に当てはめるというのが、どうにも気になります。いえ、もちろん特殊なクラスには相応の面白さもあります。なので、すべてに不寛容であるわけでもありませんし、かといって具体的な線引きができるわけでもありません。ただ、言い知れぬ気持ち悪さといいますか、「つまらない」と感じてしまうことを否めないのです。
 
 特殊クラスであることに仕掛けや説得力があるものは、とても面白く感じます。
 一方で、基本の枠組みという制約の中で書くことが出来ないことの言い訳のように「自分だけのエクストラクラス」を割り当てるのは、いささか面白みに欠けるものです。メアリー・スー的な創作に見えてしまうと言いましょうか。既存の作品群の世界観での創作なのに、作者のカラーを強く出しすぎていると言いましょうか。
 SCP世界だからこそ書きたい作品であるということがわかる一方で、それほど自身のカラーを出したいのなら完全なオリジナルで書けばよいのではとも思ってしまうのです。

 当然、やたらめったら好き勝手に書いたものが無秩序に作品群に加わるわけではないのですから、そういったエクストラクラスのオブジェクトが大勢に受け入れられているものというのはわかります。ただただ、わたし個人の好き嫌いの話です。
 SCPを紹介したり解説したりするYoutubeチャンネルで動画を聴く時に、制約の中でいかに趣向を凝らされているのかという部分を楽しみにしていたらエクストラクラスだった時のがっかり感といったらないです。食わず嫌いで、聴かずに動画を閉じてしまいます。




 エクストラクラスという呼び方を用いるからには、もうひとつ食傷気味になっている例を挙げなければなりません。
 そうですね。Fateシリーズですね。基本の7クラス以外のクラスが随分と増えました。
 hollow ataraxiaでアヴェンジャーが登場した際にはワクワク感がありました。ハイ・サーヴァントはとりあえず例外として、セイヴァーやルーラーといったクラスが増えていった時も、該当者が少ないことで特別感がありました。
 しかし、FGOにおいてゲームの仕様上、クラスがポケモンのタイプ相性ぐらいの扱いになった結果として、エクストラクラスのサーヴァントも随分と増えました。原作では固有のクラスを割り当てられていたキャラクターが、FGOで実装されるにあたって既存のエクストラクラスに当てはめられたりもしています。ゲームの仕様>キャラクター設定のようにもなっていて、設定云々よりもあくまでゲームキャラとしての属性程度の扱いになっているように思います。
 はがねやあくやフェアリータイプ、サイキックや幻竜やサイバース族に当初覚えた特別感が今はもう無いように、エクストラクラスのサーヴァントが増えたところで特別に関心を抱くことは無くなりました。
(そもそもFGOのサーヴァントが、従来作品から見て例外の存在が多すぎて、例外のありがたみが無いという部分もありますが)



 SCPにしてもFGOにしても、どちらも長くコンテンツが続いた結果として、例外・番外・規格外が増えすぎたように思います。特別感の失われた安売りです。超サイヤ人の如きバーゲンセールです。
 片や作者のカラーの強すぎる反映による特殊クラス。片やゲームの都合によって増産されるエクストラクラス。我ながら「古き良き」を重んじすぎるきらいはありますが、「特別なもの」に特別さや希少性、ありがたみが無くなるように感じます。
 だからといって、何をどうしてほしいということではありません。ただただ、わたしの個人的な好き嫌いと感想の話でした。

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