キリコがキリ子になったそうで……。

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 おはようございます。この週末は土日ともに休日出勤だった典藻のりもキロクです。
 しかし、土曜はおまけ目当ての外食をしたり日曜は夏の映画公開に向けて未視聴の「仮面ライダーガッチャード」の一気見を始めたり、まあまあ有意義に過ごせました。

 ……と自分に言い聞かせて空元気を発揮して新たな週を迎えたいと思います。




 そんな具合でいまいち休めなかった週末のこと、「ブラック・ジャック」が実写ドラマとして放映されるらしいという話を耳にしました。
 きたる2024年6月30日に放映されるそうです。

 聞いたところによると、登場人物のひとりであるドクターキリコを演じるのは女性だそうで。
 意外ですね。

 原作においては男性で、望む者に安楽死をもたらす医者でブラックジャック先生のライバルの様なキャラクターとして描かれていたものと記憶しています。
 命について双方真摯に向き合うが為に対立しながらも、お互いの腕については認めているという関係性が好きでした。


 典藻は「ブラック・ジャック」について、さほど詳しいわけではありません。しかし、まあ人並みぐらいには触れているつもりです。
 中学の図書室にコミックが置いてあったので、昼休みの度に読みにいっていました。また、数度の実写化やアニメ化の作品をところどころ視聴しています。
 ある種の道徳を学ぶものとして、情操教育によい作品だと思っています。


 そんな作品がこのご時世に何度目かの実写ドラマ化をするにあたり、男性キャラクターであるキリコが女性になります。何故でしょうか。
 典藻はあまりよくわかっていない思想なのですが、ここ数年の流行りのポリコレなるものでしょうか。web検索によれば「政治的な正しさ」が云々というものだそうですね。
 方々で話題になっているポリコレと創作物との関りを考えるに、政治的な正しさを優先し、原作者の考えやファンの愛着を蔑ろにするものがポリコレであるという認識を持ちます。ラーニング完了。また ひとつ知恵を得てしまいました。


 女優を「名医」の役で登場させたいのなら、なにもキリコでなくてもよいのではないかと、わたくし愚考いたします。
 ブラック・クイーンと呼ばれるようなキャラクターがいませんでしたっけ。もしくはドラマオリジナルのキャラクターでもよいのではないでしょうか。


 あるいはポリコレというものは関係なく、脚本上必要な配役なのかもしれません。
 例えば、我々のよく知るドクターキリコその人は別に存在し、その名を騙る狂信者として描かれるとか。

 典藻、こういうのは好きですよ。
 いるじゃないですか、自分のなかで勝手に相手を神格化して信者や従者として振舞ったり、その名を騙ったりするキャラ。「デスノート」の魅上とか「遊戯王ZEXAL」のジンとか。
 なんというか、こう、何かにすがって何者かになった気分になるというのは親近感がわきます。同病相憐れむとも。



 つい少し前のこと、「原作改変」に関連した痛ましい事件があったばかりですのに、随分思い切ったことをするものだなとも思いました。
 ドクターキリコは、軍医であったことや時代背景から男性として描かれていたのでないかとも思いますが、手塚先生が彼の性別にこだわっていたかどうかはわかりません。なにせ典藻は熱心なファンというわけではないので、各種書籍やインタビュー記録を把握していませんから。

 原作者である手塚治虫先生は故人ですし、原作改変に可否については現在権利を持っている方が判断したのでしょうか。
 まあ、権利者が許すなら、いち読者に過ぎない典藻の意見など些末なことではありましょう。





 原作者亡き後に作品を書き換えるという所業について、ぴったりのセリフがあります。
 アニメ「おそ松さん」の1話より 「平気だよ。だいぶ前に死んだから」
 これは意味合いが違うセリフなので、その字面だけを、語弊があるものと承知であえて引用させて頂きます。


 まあ、個人制作でも無ければ、ましてや商業作品であるならば、大人の事情というようなものが幾重にも絡み合って出来上がるものでしょう。
 せめて、キリコの信条や人格まで書き換えられず、性別だけが変更されたキャラクター造形であることを期待します。




 などと言葉を連ねましたが。

 歴史上の人物の性別や性格設定を滅茶苦茶にするFateシリーズや、原作者の没後もシリーズが続きおおもとの原作から別物となっている仮面ライダーシリーズなどを典藻は好んでいるわけでして、キリコがキリ子になったところで文句を言う資格はありません。
 同じ属性の一方はよくて、他方は許せないなどというのは筋が通りません。
 原作・原典・原本を改変した作品を称賛したことがない者だけが石を投げるべき話題でした。
 手塚先生の描かれた「ブラック・ジャック」(原作)と今回の「ブラック・ジャック」(2024年ドラマ版)は別のものとして捉えるのが、落としどころとしてはよいでしょう。




 ところで、典藻の一番嫌いな実写化作品はドラマ版の「地獄先生ぬ~べ~」です。
 安易な仮面ライダーや妖怪ウォッチのパロディ、軒並み設定変更される登場人物、原作であれだけ怖かった怪人Aを茶化す演者……等々。
 IFやリ・イマジネーションとして捉えることもできない全くの別物。
 普段「嫌い」というネガティブワードを「苦手」「不得意」と言い換えて表現する典藻があえてオブラートに包まないぐらいには嫌いな実写化でした。
 もちろん人の好みは千差万別ですから、あれが好きな方もいらっしゃるとは思います。しかし、わたしは嫌いです。




 ……と、こういった感情を抱えて生きるのは面白くありません。
 ですので、ええ。
 嫌いになってしまうかもしれないキリ子になったキリコが出る作品は、視聴しない方がよさそうです。

 そもそも観たい作品が山積みになっている現状、わざわざ事前に不満がある実写化作品に時間を割く必要はないでしょうし、自分の人生に関わりのないものとして位置付けるのもまたよいかもしれません。

 もし先述の狂信者キリコ(偽)という設定なら視聴も吝かではありませんので、まあいつかどこかで巡り合わせがあれば、それはそれで見るかもしれませんが。

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