根に持つ恨みと考察とプロ意識

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 大雑把で忘れっぽい性格のわたしですが、ネガティブな印象は割と長く引きずります。根に持つ、というやつです。或いは大げさに言うのなら「恨み骨髄」でしょうか。まあ、今回の話題は根に持っているとはいえ「恨み」と呼ぶには些か大人しい感情です。
 これまでにいくつかの記事で愚痴をこぼしておりました「プロ意識に欠ける不誠実なクリエイター」の話です。

 関連する記事は↓のリンクよりお読みください。

“skebやpixivリクエストはいいぞ” の検索結果 | 典藻ブログ
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 掻い摘んで説明するのなら、クリエイターが自ら募っている有償リクエストの依頼をしたところ、受注するか否かの返答期限30日を破ったり、受注しても〆切超過でキャンセルになったりしたという話です。
 これだけならば、わたしも「忙しかったのだろう。仕方ない」と納得するのですが、当該クリエイターたちの当時のSNS発信を見る限り、リクエスト外の作品を複数投稿していたり、ゲームやイベント参加を楽しんでいる様子があり、いまいち承服しかねるところがあります。
 依頼料はリクエストサイト預かりになります。クリエイター側にやる気がなく、キャンセル前提の動きをしているとしても、返答期限30日だったり作品〆切60日だったりの間はわたしの手元にお金は戻ってきません。
 また、月単位で待ってみて雑に無視されるというオチも中々に腹が立ちます。有償リクエストですから、金銭の関わる取引です。「あなたを信頼してお金を払います」という気持ちを足蹴にするのはプロ意識に欠けるのではないかと。
 ……というようなあらすじがあります。




 ところで、わたしには恨みをいつまでも引きずる以外にも悪癖が多くあります。その内のひとつとして「考察ごっこ」があります。当ブログの他記事をお読みくださっている方であればご存じのことでしょうが、的外れ・こじつけ・論理の飛躍というまさに「ごっこ遊び」の考察を度々書き残しています。
 ええ、そうです。「プロ意識に欠けるクリエイター」の不誠実な対応について、少々考察の材料になりそうなものを見つけましたので、自分を納得させるためにも「ごっこ遊び」に興じてみようということです。

 さて、わたしはpixivFANBOX等の月額制のコミュニティサイトを巡ることがあります。このFANBOX等は、上記の話題の中にあったようなリクエストサイトではなく、クリエイターが設定した月額いくらのプランに加入することで、限定公開のコンテンツの視聴権などの特典が得られるというものです。

 つい最近もなにか魅力的なプランはないかとサイト内を回遊していたのですが、その際に発見がありました。

 クリエイターが設けるプランはその特典内容も月額も、クリエイター自身が設定できるようになっています。
 プランの中には月額1万円といったような高額なものがあります。高額なだけあって、下位プランでは見られない限定コンテンツを特典として設定しているものが多いのですが、一部に「内容は他のプランと変わりません」という設定がされているものがあるのです。

 下位プランと内容が変わらないのなら、お金を払う側としては享受できる特典もなく、ただただ差額分の払い損です。
 そんなものが何故に存在しているのかと思い説明文を覗いてみれば、クリエイターによって異なりますが「冗談」「寄付として」「募金として」「お布施のつもりで」というような文言が用いられていて、つまるところは「特別な返礼はないけどお金だけくれると嬉しい」というプランなのです。

 この払い損の高額プランを設定しているクリエイターの中には、わたしの有償リクエストを雑に扱ってくださった方もいます。なるほど、なにか見えてきました。

 なにかの対価ではなく、ただ自分が存在しているだけで金銭を得ることができるという傲慢な考え。
 高額な金銭取引、他人の財産に関わることを軽い言葉で済ませる姿勢。
 「お布施」という相手からの感謝の気持ちを要求する浅ましさ。
 これらから「自分は他人からお金を貰って当然」という意識が少なからず読み取れます。
 他人から信頼・金銭・好意といったようなものを向けられることが、彼ら/彼女らにとってごく自然になものになっているから、そこに感謝であったり責任であったりを感じない……といったところでしょうか。自然なものであるから、それを蔑ろにすることにも抵抗がないのかもしれません。


 たとえば、わたしたちは酸素が無ければ生きられませんが、日々の中でとりわけ酸素の存在に感謝するということもありません。地球の大気に酸素が含まれるということが当たり前になっていて、特別に意識することがないからです。
 彼ら/彼女らにとって、他人から向けられるサムシングは特別に何かを意識することもないほどに当たり前のものなのでしょう。


 
 憧れの怪人に倣い、その感情について「理解する」と申しておきましょう。
 たかだか1人の信頼を蔑ろに出来る程度に実力があり、だからこそ不遜なほどに自己肯定感を肥大させ、自分の価値というものを疑うことのないパーソナリティ。人間らしくてよいですね。もちろん皮肉で言っていますが。
 
 これで一応の納得はできました。プロ意識云々以前に、そもそも信頼や金銭というものに対する価値観が大きく異なるのです。違う常識で生きているのですから、その姿勢に不満を抱くこちらが非常識であるということでしょう。
 
 以前の記事で、SNSなどで信頼できる人物かの下調べをしても、こういったクリエイターに当たってしまうという点から「ガチャ」という表現を用いました。この「ガチャ」で「ハズレ」を避けるための材料として、月額制コミュニティサイトでのプラン内容を見てみるというのも良さそうです。
 特典の伴わない高額プランがあったり、そのプランの説明文のなかで軽薄な言葉が用いられていたら、要注意です。

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