わたしは人気者か、或いは珍獣か。

その他





 今、わたしは大変に困惑しております。なにがどう作用して現状に至っているのか、どうにも理解しかねております。

 わたしは、基本的には人前で食事を摂ることが苦手です。人間関係の維持・構築・発展は更に苦手です。また、当然のように他人と会話することも、不得意分野としてプロフィールに書いてよいぐらいには苦手です。
 そういったわけですので、食事会というものとは距離を置いて生きています。幸いにして、前も今も、職場(というか労働環境)の都合もあり、飲み会・食事会はほとんど催されず、回数が少ないからこそ誘いを断れていたり、または、そもそも誘われなかったので、この点については大変快適に働いておりました。

 しかし、このたび、食事会に参加することとなってしまいました。他店の退職者の送別会のようなもので、もともと参加予定だった部下より「予定者に顔見知りがいなくて心細いです。ほかに誘える人がいないんです。お願いします」と頼み込まれてしまいました。頼られたからには応えざるを得ませんから、しぶしぶ承諾しました。当の部下からは「本当ですか! レアですね!」と喜ばれると同時に「すっごい嫌そうな顔してる!」と言われました。顔に出ていました。

 さて、ようやく本題ですが、わたしが何に困惑しているのかという話です。
 なにやら、わたしが参加するのならと、当初のメンバー以外に続々と参加希望者が増えていっていると聞かされました。これは困惑を禁じ得ません。

 わたしがこういった集まりに参加するのは大変に珍しいと認識されているらしく(実際そうなのですが)、「激アツだ」という声も聞かれているようです。わたしはパチンコの確定演出か何かですか。人数が増えすぎて、日程調整をしなおすということで、当初の予定日から延期になるぐらいに影響が出ているそうです。なにそれこわい。

 食事会そのものに経験値がなく、当日のn時間、間がもつかどうか不安になっていたところに、人数が更に増えるというのですから、わたしはもうどうしたらよいのかわかりません。こわい。
 最初の誘いを承諾した日の夜は、実は陰で「あいつ、義理で誘ったらその気になっちゃってさー、マジキモいよねー」と嗤われているのではないかと不安に駆られていました。(翌日すなおに確認したら、笑いながら『そんなことはない』と部下に言われましたが)

 わたしが参加するからという理由で、なぜに人が集まるのかわかりません。わからないことは考えてみるべきですから、考えましたが、何とも答えがでません。

 純粋に、超絶に、激烈に、きわめて好意的に解釈すれば、わたしが人気者ということでしょう。……が、それはあり得ません。
 わたしと少しでも会話(またはそれに準ずるコミュニケーション)を行ったことがある方ならば、おわかりになりますでしょうが、わたしは他人から嫌われこそすれ、好かれるようなパーソナリティではありません。わたしの名前が出たからといって、誰かが動く・集まるということはないでしょう。

 とはいえ、わたしの参加が要因になっていることが明らかにされている以上、わたし自身が無関係な作用ではないのです。
 いちばんしっくりくるのは、奇異・好奇の目、珍しいもの見たさというものでしょうか。つまりは、珍獣を見る目的で集まる感覚。多摩川のタマちゃん(たとえが古い)を見に人だかりができるようなアレです。そうであるのなら、いささか納得ができます。


 いずれにせよ、事が大きくなってしまった以上(というか、自分で承諾した以上)、苦手で仕方ない食事会から逃げる道はなくなりました。困惑と憂鬱、ハチャメチャが押し寄せてきています。次回、典藻死す。デュエルスタンバイ!

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